住民が自治体へのイベント申込や各種届出を申請できるSaaS型サービスを提供 自治体とサーバ間はSinfonex LGWAN回線接続サービスにより接続
株式会社NTTデータ関西(以下、NTTデータ関西)では、
行政サービスソリューション「SaaS型電子申請サービス」を2009年3月より提供している。
SaaS型電子申請サービス」とは、市民や企業が地方公共団体に対し、イベント申込みや届出等を
携帯電話やパソコンから簡単な操作で行える行政サービスである。
それまでの電子申請システムは自治体個別に作られたシステムで高コストであっが、
NTTデータ関西は、SaaS型にすることで低コスト化を図っている。
サービスへのアクセスに市民や企業はインターネット、地方公共団体はLGWAN※1を活用することで利便性と高セキュリティを両立したサービスを実現している。
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誰もが『簡単・便利』に使え、『低コスト』な電子申請サービスを提供できればシェアがとれる
電子申請システムは電子自治体実現のための施策の一環として、その導入が推進されていたが、
当時の電子申請システムの多くは、市民や企業が利用に際して事前に複雑な手続きが必要であった。
そのため、導入・運用に高いコストをかけたシステムにもかかわらず利用率が低いが、
電子申請をやめる訳にはいかないという課題を地方公共団体は抱えていた。
一方NTTデータ関西では、「新しい自治体向けサービスの立ち上げが求められていた。」と福本部長は振り返る。
新規ビジネス立ち上げに向け、マーケティングを行い「電子申請分野では、
個別で構築するよりもASPにして料金を大きく下げたいというニーズが顕在化しており、
電子申請システムも個別システムからASPに変わりつつある過渡期だった。」と分析結果を語った。
その結果「NTTデータ関西が、誰もが『簡単・便利』に使え、『低コスト』な
電子申請サービスを提供できれば、地方自治体の課題が解決できる」との結論を導き出し、
平成21年3月のサービス提供開始に向けシステム仕様の検討が開始された。
右から
株式会社NTTデータ関西
公共システム事業本部
公共営業担当部長 福本和俊
公共システム事業本部
公共営業担当 久安紀子
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モノが無いため相手にもされなかった
システム仕様の検討といっても元々NTTデータ関西には電子申請システム構築実績がなく、システム仕様の検討にあたっては、
「紙芝居を作っても、最初は全く相手にされなかった。モノが無いんですよ。」と福本部長は語る。
それでも関西圏中心に歩き続け、現行システムに満足していなかった自治体の協力や、その他の自治体から得られた要望により「SaaS型電子申請サービス」の仕様を固めていった。
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「簡単・便利」に使える工夫と、「低コスト」を実現する工夫
「SaaS型電子申請サービス」は、PC、携帯電話のブラウザでの利用が可能で、市民や企業の誰もが『簡単・便利』に使うことができる。
また画面は、一般的なインターネットサイトのように上から下へ流れる縦のラインによって構成されており違和感がなく操作性に優れた画面構成となっている。
機能面においても『簡単・便利』に使うための工夫が施されている。画面を構成する各項目は部品化されており、
それらの部品を流用・組合せることで新たな申請サービスを容易に構築可能としている。
出力帳票は画面の項目と内容をA4固定でブラウザ印刷する方法と、既存の帳票と同じように出力する方法が採用できる。
これらの『簡単・便利』に使うための機能によって、自治体職員によるサービス運用を可能とし、運用コストの極小化を図ることができる。
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Sinfonexサービスによる「低コスト化」と手厚い導入サポートによる「短期間」を移行を実現
「SaaS型電子申請サービス」は、市民や企業の申請はインターネット経由、自治体職員のサーバへのアクセスは
LGWAN(総合行政ネットワーク)が採用され高度なセキュリティ対策がとられている。
「平成23年3月に、それまで利用していたデータセンタが閉鎖されることが決まり、新たなデータセンタにシステムを移行する必要が生じた。
データセンタと行政間の接続回線はLGWANがマスト条件だったためシステムとは別にLGWAN回線接続をどうするか検討しなければならなかった。」と福本部長は語る。
最終的には、「SaaS型電子申請サービス」ではLGWAN接続にSinfonex LGWAN回線接続サービスが採用された。
その理由を福本部長はこう語る。
「LGWANに接続する設備をゼロから作ることも検討したが、莫大な投資が必要なこと、また、様々なクリアしなければならない基準があり時間も限られていることから、
NTTデータが提供するSinfonex LGWAN回線接続サービスを採用することにした。」
またその選定のメリットを「SaaS型電子申請サービス」システム開発プロジェクトマネージャの島山課長は、「LGWAN-ASP事業者として「SaaS型電子申請サービス」を立ち上げるに際し、
J-LIS※2に対して必要となる各種の申請など手続きは大変だった。例えば、LGWANとインターネットの回線と物理的に、切り離さなければならないが、それを証明しなければならない。
しかし、それらの申請については、Sinfonexの導入支援サービスが全面的にNTTデータ関西を支援した。NTTデータの持つ技術的な知見や手続きのノウハウなどを活用し、
開発着手からわずか3ヶ月で「SaaS型電子申請サービス」の移行を完了した。
<NTTデータ関西 SaaS型電子申請サービス システムの流れイメージ図>
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「かゆいところに手が届くサービス」を、もっと「簡単」「便利」に
NTTデータ関西のお客様への提案スタンスは「サービスとして提供しているので、サービス事業者として丁寧な対応を心がけている。
モノ作って終わりとか、納めて終わりとかではなく、お客様に利用いただくところがスタートという視点で取り組む」ことを基本としている。
新しいお客様が「SaaS型電子申請サービス」を採用し、機能アップした場合は、全てのお客様に平等に、新機能が提供されることとなる。
その結果として「どのお客様からお褒めの言葉をいただけるのが「かゆいところに手が届く」点である。
また、導入された自治体では市民からの申請件数も順調に伸びている点もお客様から大変評価していただいている」と福本部長はお客様の反応を語る。
NTTデータ関西では、
「もっと簡単にできないか?
もっと本当に便利にできないか?
お年寄りも含めて、ひとつずつ入力していかなくてはならないというのを、何とか回避できないか?」
と 「SaaS型電子申請サービス」を日々見つめている。?
今後の「SaaS型電子申請サービス」の動向が楽しみである。
ご紹介した事例・サービス内容をPDFでダウンロードすることができます。
・事例のPFDファイルダウンロードはこちら: 株式会社NTTデータ関西様 電子申請サービス
・サービスのリーフレットPDFファイルダウンロードはこちら: Sinfonex LGWAN回線接続サービス
※1LGWAN(エルジーワン)(Local Government WAN)とは
総合行政ネットワーク(LGWAN)は、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークです。LGWANは、地方公共団体相互間のコミュニケーションの円滑化、
情報の共有による情報の高度利用を図るための基盤として整備され、全国の地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続しています。 [出典:地方公共団体情報システム機構]
※2J-LIS(ジェイリス)(Japan Agency of Local Authority Information Systems)とは
地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、地方公共団体情報システム機構法に基づき平成26年4月1日に設立され、財団法人地方自治情報センターの権利義務の一切を承継いたしました。
[出典:地方公共団体情報システム機構]
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